トップメッセージ
食の「共創圏」を構築・拡大し、
多様なパートナーとともに新たな価値創造に挑みます。
「食の価値創造の実践と循環」に注力
2023年、第11次長期経営計画の3年目を終了しました。新型コロナウイルスの収束とともに経済活動が回復する中で、原材料やエネルギーコストの高騰、そして労働力不足がインフレ圧力を高める年となりました。
ビジネスに大きく影響する出来事として、本年5月に農林水産省で「食料・農業・農村基本法」の改正が成立しました。この法改正は食料安全保障と適正価格の実現を求めています。長期経営計画とも一致し、私たちの取り組みを後押しするものと感じています。
私はこれまで、「未来は予測不能だが、既に起こった未来は見つけることができる」というドラッカーの言葉を信条にしてきました。60万アイテムの商品を取り扱い、3万5千軒の取引先という強みを活かし、デジタルの力も借りながら「食の価値創造の実践と循環」を加速させていきます。
また、これを可能にする新たな風土醸成の背景には人事制度改定の効果もあると思います。高い目標を掲げる従業員を積極的に評価し、アイデアや取り組みを発信する文化が根付いてきました。これからも従業員のチャレンジを後押ししていきます。
4つの価値創造目標を巡る成果
第11次長期経営計画では、4つの価値創造目標を掲げています。
- 顧客満足度No.1
昨年、お得意先の顧客満足度調査では当社を1位に選んだ企業が初めて50%を超えるご評価をいただきました。お客様の期待を超えるサービスを提供し、さらなる向上を目指します。
- 共創圏の構築・拡大
2022年から累計188件の活動実績があり、着実な広がりを見せています。また、グループ企業が集まる「地域共創ビジネスモデル全国大会」を開催しました。引き続き、理念を共有するパートナーと共に新たな事業を創造することで、業界の発展に貢献します。
- 経常利益におけるコト売り比率30~50%
スタートアップ企業との「国分グループアクセラレータープログラム」を通じて、革新的なビジネスモデルを創出しています。AIを活用した需要予測システムの開発など、新しい共創事例も育ってきています。
- 仕事における幸福度の向上
自分自身の大切にしている価値観を見いだし、かつ「国分スタンス」に共感している従業員ほど、幸福度が高い傾向にあります。それらを明確にする「パーパスワークショップ」を通じて、楽しくやりがいを感じて働く人が増え、それが会社の業績にもつながると思います。
サステナビリティの取り組みの深化へ
国分グループでは、SDGsステートメントを策定し、6つのマテリアリティに取り組んでいます。特に地球環境への対応は喫緊の課題です。2023年にTCFDプロジェクトを立ち上げ、再生可能エネルギーへの転換に取り組んでいます。また、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減や、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンも推進もしています。人権についてはデュー・ディリジェンスを実施し、多様なパートナーと共に取り組みを強化していきます。
「継続する心・革新する力」を胸に無限のビジネス領域に乗り出す
国分グループは創業312年目を迎えました。「継続する心・革新する力」を企業理念に掲げており、過去において多くの困難を乗り越え、食のインフラを守る使命感を持ち続けてきました。国内の人口減少や食のマーケット縮小に対応し、ビジネスの幅を広げ、地域に密着した事業体制を構築しています。
私たちは総力を結集し、多様なパートナーとともに新たな価値創造に取り組み、食を通じて世界の人々の幸せと笑顔を創造いたします。