DISTILLERY ウィスキーづくりの理想郷。トマーティン。

名もない村が、ウィスキー造りの理想郷に。

トマーティン村。スコットランドの古語で、「ネズの木の茂る丘」を意味する村。ロンドンの北西約900km、標高315m、人口およそ500人。何もない村だった。しかし、ここにはいい水があった。モナリアス山系の複雑な地質を経て、静かに流れる清らかな小川。そして、良質のピート(泥炭)が産出された。気候、湿度など、すべてがウイスキー造りに最適な自然環境だった。いや、正確には、良いウイスキーを造り続けてきたことが、理想郷である証だった。


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変わらない、蒸留所の情熱とこだわり。

ウイスキーの仕込み水は、村を流れる小川から。「オルタ・ナ・フリス(自由の小川)」と呼ばれるこの小川の水は、まさに自然からの贈りもの。この水なくして、フレッシュでフルーティな香りは生まれない。そして、ここで産出されるピートなくして、まろやかな口あたりとバランスの良い味わいは生まれない。標高315mは、スコットランドのモルト蒸留所の中で、最も標高の高い蒸留所。そして、いまやスコットランドでその実力を認めない者はいないといわれている蒸留責任者グレアム・ユンソン。すべてが揃って初めて、トマーティンはトマーティンとなる。