Chapter1.ワインとの出会い

太沢さん
太沢さん

太沢えり 今日は田辺先生に色々ご質問をしながら、ワインの楽しみ方や南アフリカワインの魅力を知りたいと思います。 はじめに、先生がワインを好きになったきっかけをお聞かせ下さい。

田辺由美 生まれが北海道十勝地方の「十勝ワイン」の故郷で、私の父が50年ほど前に池田町の町長をしていたときに「十勝ワイン」の生産を始めたのね。それで幼い頃から家では夕飯時は必ずワインでした。幼い時の体験がワインを身近に感じたきっかけですね。両親は今でもワインしか飲みませんし家族中ワインが大好きです。
そう考えると私の人生は常にワインと共に歩んできたとも言えるわね(笑)。しかも生まれ育った北海道は、海の幸、山の幸、野の幸どれをとってもワインと合うものが多かったというのもあります。
例えば名物のジンギスカンは赤ワインと、魚は鮭や鱈、牡蠣、ボタンエビ、そして何と言っても毛蟹やタラバ蟹、海の幸だけでもワインに合う素材が満載です。ジャガイモやカボチャ、アスパラは茹でてバターと一緒に食べるのね。そうするとワインがぴったりですよ。

太沢 わー、話しを聞いていているだけでワインが飲みたくなりますね。子どもの頃の環境が影響しているのですね。

田辺 それでは、えりさんがソムリエの資格を取りたいと思ったきっかけは?

太沢 ワインを飲みはじめるようになって、ショップやレストランでワインを自分で選びたいと思ったのがきっかけでした。
田辺先生のスクールで学ぶうちに知りたい内容がどんどん広がり、色々な国のワインを飲んでみたくなりましたね。それまで主に飲んでいたのはフランスワインでしたが、授業を通して世界中のワインの品質の良さや美味しさを知ることができました。様々な特徴をもったワインを飲み比べるのがいつも楽しみでしたし、美味しいワインが思った以上にリーズナブルな価格だったりすると嬉しくなったのを良く記憶しています。
また自分の味覚や知識にも少し自信を感じられるようになりました。
先生が最初に美味しいなとか、こんなワインもあると感心させられた出来事はありますか?

田辺さん
田辺さん

田辺 ワインはフランスだけでなくイタリア、スペイン、ドイツなどヨーロッパ各国で作られていますし、カリフォルニア、チリ、オーストラリア、アルゼンチン、南アフリカも含めたニューワールドと呼ばれる国々にも色々ありますものね。
この仕事に就く前は単にワイン好きの一消費者として楽しんでいたのですが、その頃はフランスやドイツの有名銘柄しか知らなくてね。私とニューワールド・ワインの出会いは、アメリカに2年間住んでいた時にカリフォルニア・ワインを飲む機会が沢山あって、その素晴らしさに感嘆し『ワインはヨーロッパだけではないんだ』と興味を持つようになりました。
その後日本へ戻り自身の体験からワインは料理に合わせて飲むのが一番と思い、女性の目線からみた女性向けのワインや家族と一緒に家庭で楽しめるワインを皆さんに知ってもらえるような仕事をするようになったのです。