太沢 ところで先生は他のお酒と比べてワインの特徴は何だとお感じですか?
田辺
お米や麦類など穀類から日本酒、ビール、焼酎、ウィスキーが造られますね。
それに対してワインは果物から造られます。フルーツから造るので果物の持っている香り、フレッシュさを楽しむことができるのがワインの特徴です。そしてヨーロッパではワインは食卓の一部ですのでお料理に合わせやすい。もちろん日本酒も和食に合わせるととても美味しくいただけます。
ただ、東京オリンピックの頃を境にシティ・ホテルが建ち始め、レストランで洋風料理やワインが供されるようになったのね。また食の欧米化に伴いお肉やパン、パスタをはじめ洋食が食卓へ頻繁に並ぶようになりました。
肉類が多くなった食卓ではぶどうから造ったワインがあればお肉の持つ脂分をワインが調和してくれますし、お肉が一層美味しくいただけます。あっそうそう、国分さんがはじめてKWVのワインを南アフリカから輸入したのが1964年(昭和39年)なんですって。オリンピックに参加した南アフリカ選手団のために用意されたそうですよ。
太沢 そんな前から日本には南アフリカワインがあったんですね!
田辺 ちなみに、えりさんも保有している“ソムリエ”と言う単語が日本で使われるようになったのは、もう少し後1970年の大阪万博の頃からですよ。
太沢
へえ、そうなんですか。
他にも、ワインが私達の生活に受け入れられた理由はありますか?
田辺
日本人のライフスタイルの変化にも注目してみますともう一つ、女性の社会進出もワインの種類の多様性に関係しているのだと思います。雇用均等法ができ女性が外で働き、女性同士で食事やお酒を楽しむようになりました。
その結果ぶどう品種の個性がはっきりしていて解りやすく、気軽に楽しめて、値段が手頃で何より美味しいニューワールドのワインが特に多くの女性に支持されて、消費が増えたのではないかと思います。
太沢
今ですと女子会ですね!持ち寄りホームパーティーなど私もよく友人と楽しんでいます。
女性が自分でワインを選び、飲むのがあたりまえの世の中に変化したということですね。