INTERVIEW
卸営業の醍醐味は
商品力だけでなく個性で勝負できること
国分首都圏株式会社
第一営業本部
2013年入社
PROFILE
もともと食に関わる仕事に就きたいと考え、就職活動を行っていた。そのなかでも、無数のメーカー・カテゴリの商品を扱う食品卸は自社商品のみを扱うメーカーとは違い、純粋な「営業力」が問われ「面白そうだ」と興味を持つ。また国分の「元気に明るく」という風土が大学まで部活動に打ち込んでいた自身にも合うと感じ、入社につながった。入社以来、酒類の営業を担当している。
現在の仕事内容を教えてください。
大手スーパーマーケットに対し、酒類の営業を担当しています。小売店とメーカーの間に立つ卸営業の仕事は、大きく分けると「販売先である小売店の求める商品を提供すること」と、「仕入先であるメーカー各社の売りたい商品を小売店に採用してもらうこと」のふたつです。そのために重要なのが、年に2回行われる棚割り。棚割りとは、小売店が自身の売場に、どの商品を、どこに、どれだけ並べるかを決めることです。私たち卸営業の立場では、既存の定番商品に加えて新商品や販促企画にどれだけ採用してもらえるかが重要で、それにはその小売店の方針が大きく関わってきます。例えば、消費者に安く提供することを重視するのか、逆に高級路線でいくのか、店舗に置く品数を増やすのか減らすのか…それによって私たちが提案する商品の種類や提案方法も大きく変わっていきます。メーカーが積極的に売り出したい商品をどのくらい推すか、違うメーカーの商品と組み合わせてトータル提案するかなど、私たちが持つ商品やカテゴリーの選択肢の中から、小売店とメーカー双方にとって最適な提案に繋げ、魅力的な売場にしていくことが、卸営業の腕の見せ所であり醍醐味です。
卸営業のどのようなところにやりがい、面白みを感じますか?
規模の大きな仕事を任せてもらえるというところと、自分の提案や活動次第で売上が大きく変わるところに面白みを感じています。卸営業だと若手でも数十億の売上を担当する事も少なくありません。責任も大きいですがこれは卸営業ならではだと思います。また現在私が担当している小売チェーンでは、さまざまな戦略や活動が功を奏し、酒類の売上を数年で1.5倍に伸ばすことができました。その戦略のなかで特に重要だったのが、果実酒の留型商品開発です。留型商品とは、メーカーのブランド名は残しながら、特定の小売チェーンで販売するため専用に開発した商品です。小売店にとっては、メーカーのブランド力を使いながら、自分たちの独自商品として販売ができますし、メーカーにとっても大きな販路確保につながるというメリットがあります。当時、果実酒の留型商品開発のきっかけになったのは、担当の小売チェーンから「お酒の裾野を広げるため、初心者向け・女性向けの専用商品が欲しい」という要望を受けたことです。そこで、あるメーカーと共同で果実酒を企画・開発し、提案を行いました。お酒に馴染みがない人でも飲みやすいように微炭酸にし、甘口・小容量・低価格で手に取りやすい商品を提案することで、初心者・女性ユーザーの獲得につなげることができ、大きなヒット商品となりました。このように、自分が手がけた商品や売場が形になり、消費者の元へ届いた時の喜びは卸営業ならではのやりがい・醍醐味だと思います。
では、卸営業の大変さを感じるのはどんな時でしょうか。
先にも触れたように、卸営業は私たちの総合的な「提案力」が売上に直結する仕事です。いつ、何を、どのように売るのか、自分が思考を止めれば、たちまち売上が落ちていきます。自分自身の「提案力」が厳格に評価されることが卸営業の厳しさであり、大きなやりがいとも言えます。一方で品切れや在庫不足に陥らないよう、よどみなく商品を供給することも卸営業の重要な業務です。天候等で物流が寸断され、店舗で在庫不足が発生しそうな場合には、トラックを手配して北海道や大阪まで商品の調達を行うこともあります。自分たちが扱うのは生活に欠かせない「食」なのだという責任を常に問われるのが、卸営業の仕事だと感じます。
仕事をする上で、大切にしていることを教えてください。
食品卸はB to Bの業種なので、消費者との直接の接点はありません。そのため、仕事の際には小売店やメーカーのメリットだけを考えがちです。しかし、最後に商品を選ぶのは消費者の方々であることを忘れてはいけません。提案内容に悩み、行き詰まった時は必ず「自分の仕事で消費者に何を提供できるか」という原点に立ち返るようにしています。また、メーカーと小売店の間に入る卸営業は、業務の中で多くの人と関わる機会があるため、どれだけその人たちから信頼を得られるかが重要になります。私はより濃いコミュニケーションを図るため、関係者の方々にはその仕事の背景までなるべく詳細に説明するよう心がけています。このような細やかなコミュニケーションが、「この人に任せておけば大丈夫、安心だ」という信頼につながると感じています。信頼を得るため、自身の商品価値を高める努力は怠らないようにしています。決まった商品を持たない卸営業だからこそ、「個性」や「人間力」が重要だと思っています。
私がむすんだ〇〇〇
「イタリアワイン」
留型商品開発を目的にイタリアに出張し、現地展示会で商品選定を行いましたが準備不足で初年度は良いワインに出会えず、空振りに終わりました。その教訓を生かして2年目はワインの知識を深めるなどの下準備や事前商談に時間をかけ、万全の態勢でイタリアに渡りました。その甲斐あって、現地の素晴らしいワインを日本に届ける事ができました。
あなたにとって国分とは?
自分から仕事を見つけに行けばテリトリーが無限にある、「冒険の場」です。逆に自分からアクションを起こさないと何も起きません。困ったときは自分の知りたいことを知っている人が必ず社内にいて、次に進むためのヒントをくれる。RPGのように自分が動くことでレベルアップしていける冒険の世界です。
国分に入社してよかったこと
社内には個性的で熱量の高い人が多く、いつも刺激をもらっています。家族ぐるみの付き合いができる同期やメンバーと巡り会えたことは本当に幸運でした。野性味に溢れた個性を持つ人々が自由に働く国分グループは、私生活でも仕事の面でも大きく成長できる環境だと思います。それくらい、個性的で熱量のある方々が多い会社です。