INTERVIEW
先進テクノロジーの導入による、
持続可能な物流体制の構築を目指す
国分グループ本社株式会社
物流統括部
2004年入社
PROFILE
大学の講義で「卸売業」の役割を知り、食を支える縁の下の力持ちとしての存在に惹かれ、就職活動では卸売業界にアプローチ。その中で国分は、一対一の面接スタイルで時間をかけて一人ひとりと向き合い、人を大切にする姿勢に好感を持ち入社を決めた。入社から一貫して物流関連業務を担当し、現在は、国分グループの物流における省人化・省力化施策の立案業務に取り組んでいる。今は家族との時間を何よりも大切にしている。
「物流統括部」の機能と現在の仕事内容を教えてください。
現在所属する「物流統括部」は、国分グループの物流に関わる基本戦略・方針の策定、施策の立案・実行支援等、物流の司令塔的役割を担っています。その中で私が担当する「省人化・省力化の推進」は、社会情勢の変化を見据え、グループ全体の物流を変革していく取り組みの一つです。人口減少社会の到来、それに伴う労働力不足、人件費上昇など、流通業を取り巻く外部環境は大きく変わりつつあります。こうした変化に対応するためには、「省人化・省力化・機械化」は避けて通れないテーマです。私たちのチームは、最新テクノロジー等の情報収集を進め、具体的な企画を立案し、実際の省人化・省力化機器の検討、導入、その後の分析検証を行っています。ポイントは、現在の物流環境に対応した施策である必要があること。食の安定供給を担う社会インフラ機能を果たすため、持続可能な物流体制の構築を目指しています。
物流の省人化・省力化について、より具体的に教えてください。
物流の世界では、これまでも「省人化・省力化・機械化」の取り組みは進められてきました。しかしそれらは、ベルトコンベアーやクレーンを多用するような、大型で小回りの効かない、大規模投資が必要なものに限られていました。ですが、私たちが属する食品卸の業界は、得意先および消費者のニーズの多様化やトレンドの動向を受けて、取扱品目、物流量などが激しく変化します。大型の設備では、その変化に柔軟に対応することができません。そこで私たちは、従来の施策にはなかった「ロボット」や「AI」といった最新のテクノロジーの積極的な情報収集、検討、導入等を進めています。具体的には、まずは長い距離をひたすら人が繰り返しモノを運ぶ工程の省人化を図るため、無人搬送車「AGV」を導入しました。従来のAGVは、単にA地点からB地点へモノを運ぶ「クルマ」でしたが、今は自動運転技術を使用して、人を感知すると止まる、道を譲る、人の後ろを付いてくるなど、人と協調した動作ができる「ロボット」になっています。今後、大型の物流センターに順次導入していく計画です。
これまでに印象に残っている仕事を教えてください。
私は現在の仕事に就くまで、およそ6年間、「得意先専用センター」の物流受託提案業務に携わっていました。「専用センター」とは特定の得意先専用の物流拠点であり、各エリアの得意先の「専用センター」を国分が運営し、物流収益を獲得するというビジネスモデルです。得意先にとっては、物流を外部委託することで業務効率化が図れるというメリットがあります。具体的な業務は、主に得意先に対して「専用センター」の企画を提案し、センターを一から建設するか、既存物件を賃借して実際の運営までつなげていくことです。物流は店舗運営にも大きく関わることですから、そこまでには他社とのコンペティションがあり、コスト面、企画内容等で優位性を訴求し、受託する必要があります。お客様の物流課題の解決を目指す提案であり、ゼロからプロジェクトを立ち上げ、センター稼働まで一貫して携わって収益に貢献できたことは、やりがいにも自信にもつながりました。
今後の目標、挑戦したいこと、描いているキャリアを教えてください
長年にわたって各エリアの物流・システム業務、「得意先専用センター」物流受託提案業務に関わってきましたが、入社16年目の2019年、現部署に異動となりました。「省人化・省力化の推進」は、国分にとってチャレンジングな試みであり、ここ数年の中で目に見える成果を生み出したいと考えています。人には負荷が高い業務を解消するための最新のピッキング・積み付けロボットの導入、「AI」による需要予測による在庫の最適化など、テクノロジーの多角的な検討を進めています。しかし、重要なことは現場スタッフの理解・納得を得て、物流のデジタル化という波に巻き込むことです。物流はもともと「人」「紙」が中心の世界でしたから、データ化をスタンダードにしていく風土の醸成が求められます。また現場によって起こることも違いますから、その現場ごとに最適な施策を打つことも必要です。課題は山積していますが、国分が保持している現状リソースの可視化、培ってきた卸機能の知見やノウハウを展開して、デジタル化による物流の最適化に挑んでいきたいと考えています。
私がむすんだ〇〇〇
「お客様の物流」
「得意先専用センター」の提案、受託、そして稼働を通して、得意先担当者から「センターの運営をお願いして良かった、国分と付き合ってよかった」と言われる存在となり、関係強化を図ることができました。まさに「むすんだ」実感を得た取り組みです。物流はインフラであり、問題なく存在していることが「当たり前」とされる中、感謝の言葉をいただいたことにやりがいを感じました。
あなたにとって国分とは?
やりたいことをやり、それを受け入れてくれるフィールドがある会社です。私自身、「得意先専用センター」では、やりたいこと、やるべきことを主体的に自分で考え行動し、成果に結び付けていきました。さらに短期的な成果だけではなく、現在の省人化・省力化の仕事に象徴されるように、未来を見据えて長期的に取り組める環境が国分にはあると感じます。
国分に入社してよかったこと
国分には300年の歴史があり、その間、先輩たちが培ってきた「信用」があります。私の名前を知らなくても、「国分の人」というだけで相手が話を聞いてくれる土壌があります。関係を一から構築する前に会話ができるのは、大きなアドバンテージだと思います。それを活かせるかどうかは自分次第です。「得意先専用センター」の業務ではそれを実感しましたし、入社して良かったと思った瞬間でした。